従来の長期修繕計画は30年を目安に作成されることが一般的でした。
しかし、マンションのライフサイクルは50年、60年、さらには70年を超えて続くことが現実的となり、
将来を見据えた長期的な視点での修繕計画が求められています。
本稿では、70年を見据えた長期修繕計画の意義と見直しのポイントを整理します。
なぜ70年を見据えた長期修繕計画が必要か
マンションの平均寿命は法定耐用年数を超えて利用されるケースが増えています。
30年スパンでは「2回目の大規模修繕」までしか視野に入らず、
建物全体の維持管理を考えるには期間が不足します。
70年を想定することで、建替えか継続利用かという最終判断も見据えた資金計画を立てられるのです。
70年スパンで考えると見えてくる課題
1)積立金不足のリスク
30年計画では工事費のピークを十分に予測できません。
70年までを見据えることで、将来的な積立不足や一時金徴収のリスクを早期に把握できます。
2)建替えとの比較検討
築50年を超えると、修繕だけでなく建替えの選択肢も現実味を帯びます。
70年計画は、修繕と建替えの費用対効果を比較するための基礎資料にもなります。
3)大規模修繕の回数増加
70年スパンでは大規模修繕が5〜6回発生する見込みです。
それぞれの周期と工事範囲を調整し、資金繰りを安定化させる必要があります。
4)設備更新や法改正への対応
電気設備・給排水設備などのインフラは、建物本体とは異なる周期で更新が必要です。
さらに耐震基準や省エネ基準の改正も見据え、長期的に織り込む必要があります。
70年を見据えた計画の作成ステップ
- 現行30年計画を基に、50年・70年まで延長するシミュレーションを実施
- 建物劣化診断で劣化進行を予測し、将来の修繕周期を設定
- 大規模修繕・設備更新の発生時期を整理し、工事費の推移を算出
- 積立金のシナリオを複数用意(平準化・段階的増額など)
- 建替えの可能性も含め、総会で比較検討できる資料を作成
70年計画を導入するメリット
- 将来の資金不足を早期に把握し、住民の負担を平準化できる
- 建替えと修繕の選択肢をデータに基づいて検討できる
- 長期的な住環境維持のために合意形成がしやすくなる
- 国や自治体の補助金・助成制度の活用計画を立てやすい
センターオフィスの支援
当社では、30年先を基本とした従来型の計画に加え、
50年・70年を視野に入れた長期修繕計画の見直しを支援しています。
建物劣化診断・積立シミュレーション・総会説明資料の作成まで一貫して行い、
住民が将来に安心できる合意形成をサポートします。
まとめ:70年を見据えた計画で未来を守る
長期修繕計画は「30年で終わり」ではなく、70年を想定した見直しが不可欠です。
修繕・建替え・資金計画をトータルに検討することで、
マンションの資産価値と安心の暮らしを長期にわたり守ることができます。
まずは現行計画を見直し、70年シミュレーションを取り入れることから始めましょう。
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